現在、自動車業界においては、自動車の軽量化や厳格化する衝突安全の要件を満たす上で、熱間プレス成形の重要性が高まっています。熱間プレス成形部品には、高強度、軽量、複雑な形状、スプリングバック効果の低減などの効果があり、生産は世界規模で大幅に増加しています。ボディ・イン・ホワイト(BIW)の熱間プレス成形部品のマーケットシェアは、2015年には8%でしたが、2025年には17%までの大幅な増加が予想されています。この傾向を受けAutoFormでは、最新鋭のテクノロジーを駆使し、熱間プレス成形シミュレーションの機能をさらに強化。最新版としてリリースされたAutoFormplus R7では、冷却水路まで考慮できるようになり、金型サーフェス上に発生するホットスポットの位置や大きさが、より正確に予測できるようになりました。
冷却水路の設計や位置決めは、手間のかかる作業です。AutoFormplus R7では、3Dカーブや対応する直径から、冷却水路を簡単にモデル化できます。冷却水路のレイアウトが異なる場合には、金型サーフェス温度分布も異なってきます。金型サーフェスのホットスポットも簡単に検出でき、選択した冷却水路のレイアウトをベースとした形でコントロールできます。
AutoFormplus R7では、マルチサイクルのシミュレーションを実行することができ、ユーザーは実サイクルまたは簡易数値サイクルの、いずれかを選択することができます。実サイクルは、実際の初期温度から開始され、ランプアップ工程全体を具体的にシミュレーションします。このオプションでは、金型が定常状態の金型温度レベルに達するまで、複数のサイクルを要します。サイクル開始時の温度は、サイクル終了時の温度と同等です。簡易数値サイクルは、概算の金型温度で開始され、定常状態の金型温度レベルに達するまでに必要なサイクル数も少なくなります。
AutoFormplus R7を利用すれば、自動車メーカーやサプライヤは、新しい自動車モデルに必要なAピラーとBピラー、トンネル、フロントおよびリアのバンパー・ビーム、サイド・レイル・メンバー、ドア・ビーム、またルーフ・レールなどの、熱間プレス成形部品の工程を確実に設計することができるのです。